【通信制高校 Hくん】
Hくんと初めてお会いしたのは
小学6年生の時でした。
外に出ると会話をすることが難しい場面緘黙の症状があり、
思うように動けない緘動も見られました。
そのため意思表示をすることも難しく、
こちらが何か話しかけると
時々首をかすかに動かして反応してくれるといった様子でした。
そんなHくんが伝えてくれたのは
「話せるようになりたい」という思いでした。
Hくんとは
どんな表現方法でもいいので意思表示をしてみようと話し、
Hくんの好きな遊び等を通して
少しずつチャレンジしてもらいました。
そういった関わりの中で
Hくんの考えや気持ちも徐々に伝わるようになり、
発達特性によるしんどさを抱えていることもわかってきました。
親御さんと一緒に様々な環境調整を行い
Hくんの不安や心配を1つずつ解決していきましたが、
それに伴いHくんの言葉による意思表示も増えていきました。
最近はHくんのお気に入りの動画やゲームを使い、
例えばHくんに動画の解説をしてもらったり
動画の面白さや感想を教えてもらうといった感じで
会話の練習をしています。
今では好きなことについてたくさん話してくれるHくんですが、
Hくんを見ていると
子ども達を理解し成長を促すためには
大人が子ども達の“好き”に関心を持つことも大事だなと感じています。